Arsproutの拡張方法

ここでは、Arsproutの拡張の仕組みを説明します。

オフィスネットワークなどと同じ仕組みの部分

ArsproutはUECSという仕組みで動作する環境制御システムです。UECSで動作しているため、Arsproutは柔軟な拡張が可能になっています。UECSの拡張の基本的な仕組みは、オフィスなどのLANにコンピュータを増設していく仕組みと全く同じです。

例えば、オフィスのLANで、ネットワークハブを介して、3台のコンピュータが接続されているとします。ここにNAS(ネットワーク上のデータ置き場)やプリンタが接続されていれば、3台全てのコンピュータから、NASにデータを格納したり、プリンタを使って印刷する事が出来ます。

 
また、オフィスでは新しいメンバが加わるなどで、PCが追加される事があります。新しいPCも、LANケーブルをつないで、適切な設定さえすれば、NASやプリンタを自由に利用出来るようになります。

 
これが可能になるのは、各コンピュータや、NAS、プリンタに、IPアドレスというネットワーク上の住所が振られているからです。IPアドレスがある事で、新しいPCなどがネットワークに追加されても、追加したPCによるNASやプリンタの操作を、ネットワーク全体が混乱する事なく行えます。IPアドレスは、例えば「192.168.1.xx」という形式の数字の羅列になります。これがPCやNASやプリンタごとに、別々の値で振られる事で、それぞれがネットワーク上の住所を持っている事となっています。

 
これと同様の事がArsproutでも可能です。初めに、内気象ノードのみを設置して計測を始めたとしても、

 
そこに制御ノードを追加して、LANケーブルで接続すれば、2つのノードを連携させて動作させられます。この時、2つのノードには別々のIPアドレスを振っておきます(ノードのIPアドレスの初期値はすべて192.168.1.70のため、ノード設定画面でIPを振り直す事になります)。

 
こういった接続方法も可能です。ただしこのやり方はハブを経由しておらず、2つのノードだけで完結したネットワークを形成するため、他のPCなどからLAN経由でノードの状態を確認する事は出来ません。

 
ところでオフィスのネットワークに繋がっているPCからは、メールを送ったり検索をするなど、インターネットを使った操作が可能になっています。これはPCがLAN上にあるルータを介してインターネットに繋がっているからです。

 
これと同様の事がArsproutでも行えます。ただArsproutでは、ノードの接続先は、インターネット上にあるArsproutクラウドのみとなります。

 
また、ITの世界には通信ドングルというものがあります。これは、PCのUSBポートに挿せば、ルータを介さなくとも、そのPCがインターネットに繋がるようになるデバイスです。

 
先ほど出て来た以下の繋ぎ方で導入したノードは、制御ノードに通信ドングルを挿す事で、インターネットを経由してArsprouクラウドに接続出来るようになります。またそれによって、Arsproutクラウド上でノードの状態などを確認出来るようになります。これによって、ハブがなくともノード同士の連携と、ノードの状態の把握が可能になります。また、内気象ノードのみを導入した場合は、内気象ノードに通信ドングルを挿せば、それだけでArsproutクラウド連携が可能になります。

 

Arsprout(=UECS)独自の仕組みの部分

UECSではデータの送受信の際に、CCMという名前の様々な情報の塊を使います。このCCMに関する部分が、UECS独自の仕組みです。CCMには、温度や湿度といった環境計測データ、窓や暖房機といった機器動作データなどがあります。UECSのノードは、これをお互いに送受信して、それぞれが計測や制御をしているデータを互いに通知しあいます。

 
これを行う事で、あるノードが計測/制御したデータの状態を他のノードに伝え、データを貰ったノードがそれを元に制御などを行う事で、本来は別々のノードが連携し合い、1つのシステムのように振る舞う事が可能となっています。

 

 
このCCMを使った情報伝達/情報共有の仕組みを実行するには、各ノードで扱っているCCMデータに、名前や番号などを付与する事が必要です。以下はUECS-Pi Basicの画面キャプチャですが「CCM設定(気温)」の部分がそれに当たります。温度データ、窓データ、暖房機データなど、何らかのデータにこういった名前や番号を振った上で送信する事で、受信側でデータを特定したうえでそれを受け取る事が可能になります。

 
Arsproutではこの仕組みを多用し、内気象ノードからの多くのデータを制御ノードが受け取る事で、様々な制御を可能にしています。また、このCCM送受信設定は、手動入力する事も可能ですが、Arsproutではこの設定が入力済みの設定ファイルを使う事で、手間を掛けずに、内気象ノードと制御ノードでのノード間連携が出来るようになっています。